20.田沼意次(たぬま おきつぐ)と松平定信(まつだいら さだのぶ)の因縁(いんねん)

田沼意次(たぬま おきつぐ)は江戸(えど)幕府(ばくふ)の老中(ろうじゅう)で、武家(ぶけ)社会の汚職(おしょく)政治家(せいじか)の代表のように言われているよね。

彼(かれ)は賄賂(わいろ)をもらって私腹(しふく)を肥(こ)やしたように言われているよ。

一方の松平定信(まつだいら さだのぶ)は、清廉潔白(せいれんけっぱく)な人、という印象だよね。

ただ、中には、それは違(ちが)うという説(せつ)を唱(とな)える学者(がくしゃ)もいるんだ。

「意次の汚職は本当だろうか?これらは、意次の失脚(しっきゃく)後に政敵(せいてき)の松平定信などが作り出した話」だと言うんだ。
なぜなら、松平定信は田沼の政治を批判(ひはん)していたんだけど、松平定信が残(のこ)した文書に「田沼にいやいや金品を贈(おく)った」と書き残しているからなんだ。

もっとたくさんの古文書がみつかれば、二人の関係(かんけい)や新事実が確認(かくにん)されるかもしれないね。