-古文書探検隊(たんけんたい)が行く-
日本では、あちこちに古文書が保存(ほぞん)されているけど、紙に書かれた手紙が、古文書として一番多く残されているんだよ。
っていうことは、手紙じゃないものもあるの?
紙に書かれたものじゃなくてもあるの?
古文書は誰(だれ)かが、誰かにあてたものだったよね。
個人(こじん)が個人に出すお手紙は紙でいいんだけど、殿様(とのさま)やお奉行(ぶぎょう)様が領民(りょうみん)みんなに知らせるような時は、どうするだろう?
制札(せいさつ)や高札(こうさつ/たかふだ)と呼(よ)ばれる木の札(ふだ)に用件(ようけん)を書いて、人通りの多い所などに立ててみんなに知らせたりもしていたんだ。
お触れ書きとも呼ばれているよ。時代劇(げき)などで、民(たみ)がみんなで見ているのを見たことはないかな?
この木の札も、古文書の一種(しゅ)なんだ。
木の札の先がとがっているのは、禁止(きんし)事項(じこう)を書いた物の場合なんだよ。
紙だとボロボロになってしまうかも、との心配をしていたね。
昔(むかし)のまだ製紙(せいし)の技術(ぎじゅつ)が無(な)かった頃(ころ)には、竹を記録(きろく)のために使っていたよ。
竹簡(ちくかん)という名前で、中国では、日本よりさらに古くから使われていたんだ。
その後、製紙は出来ても、油紙など水をはじく物で紙を包(つつ)む技術が無かった頃には、輸送(ゆそう)中に雨に濡(ぬ)れたり、保管(ほかん)中に湿度(しつど)で変(か)わってしまったりしないように、木に文書を書いて送ることがあったんだよ。
木簡(もっかん)という名前なんだ。
紙や竹、木の他にも、布(ぬの)に書いていたり、変(か)わったところでは、鐘(かね)や灯籠(とうろう)、石碑(せきひ)として古文書を残(のこ)しているところもあるよ。
広く、末永(すえなが)く、伝(つた)えていきたい事があったんだろうね。
このページで学んだことのポイントはこれだ!
整理しておくよ。
〇竹や木など、植物も古文書に使われている。
〇石や灯籠、鐘なども古文書と呼べる物がある。
〇日本よりさらに昔から、中国では竹簡が使われていた。
へえ~。紙じゃなくても、古文書っていうなんて、なんかふしぎだな。
そうだよね。
でも、石や鉄に刻(きざ)んだ物ならずっと変わらないけど、作るのが大変(たいへん)そうだね。
作るのが大変といえば、とても大きくて、道に立てるにはむかない制札もあったんだよ。
他にも、表面に墨(すみ)や胡粉(ごふん=貝がらから作った白色の顔料(がんりょう)のこと)を塗(ぬ)ってある物もあったんだ。
これは、みんなに見せるよりも、長年保存(ほぞん)できるように、とか、格式(かくしき)を重んじてこのような形になったと考えられているんだよ。