古文書ってなに?
-古文書探検隊(たんけんたい)が行く-
科学で分かる古文書
古文書を調べて研究する時、科学の力も使うんだよ。
このように近い距離(きょり)で紫外線(しがいせん)を出さないライトをあててより鮮明(せんめい)に撮影(さつえい)して、分析(ぶんせき)に使うんだよ。

まずは、古文書ってどんなものか、わかったかな?
ここでは、どうやって古文書を研究しているのかを見てみようか。

うん、宛先(あてさき)と、差出人(さしだしにん)と日づけと、用件(ようけん)がある文書!
で、研究って?

だけど、文字が消えてたりしたら、それが古文書が、古記録(こきろく)なのか、わからないよね・・・ どうやってわかるのかしら・・・

どうして科学の力が必要(ひつよう)なの?
ひとつひとつ、丁寧(ていねい)に見ていったり、調べたりするんだ。とても時間がかかるときもあるんだ。

年代が経(た)ってしまったことで、文字が薄(うす)くなってしまうケース、災害(さいがい)に遭(あ)ってしまったことで破損(はそん)してしまったケース、保存(ほぞん)状態(じょうたい)が悪いことでネズミや虫に食われたりして消失(しょうしつ)してしまったケースなどで、大切な文書かどうか判断(はんだん)ができなくなる事があるんだ。

そんな時には、研究者の知識(ちしき)や経験(けいけん)とともに、科学の力が足りない部分を補(おぎな)ってくれるんだ。

科学の力はどのように活躍(かつやく)するんだろう
豊臣秀吉 朱印状 (京都市歴史資料館)
これは古文書の紙の大きさを計っているところ。
まずは自分の目で見て、触(さわ)って、大きさを見たり、折(お)り方を見たりするんだ。それから現代(げんだい)の科学の力で鑑定(かんてい)!
目で見ただけではわからない事実が見つかることもあんだよ。

一部が失(うしな)われた文書でも、科学の力で、解読(かいどく)する事ができる場合もあるんだよ。

それに、使われた紙の質(しつ)や素材(そざい)、紙すきの方法(ほうほう)を調べることで、その文書がいつ頃(ころ)どこのものかわかる事もあるんだ。

また、墨(すみ)の劣化(れっか)具合はどの程度(ていど)かを分析(ぶんせき)、鑑定(かんてい)することで、書かれた内容(ないよう)を判断(はんだん)したりもするんだよ。

このように、消えた文字でも、その変化(へんか)の具合を見ることや、前後の文章を解読する事で、書かれた内容を判断したり、予測(よそく)することが出来るんだ。

科学が活躍(かつやく) 古文書鑑定(かんてい)
特に紫外線(しがいせん)が当たると紙が傷(いたみ)みやすくなるので光には注意が必要なんだ。
そこで写真を撮(と)る時には紫外線を出さない特殊(とくしゅ)なライトや近い距離(きょり)でもはっきり写すレンズなどを使うんだ。
古文書の紙の繊維(せんい)を調べる顕微鏡(けんびきょう)。
顕微鏡を紫外線(しがいせん)がでない発光台に乗せて、古文書を透(す)かして見る。
古文書の紙の厚さを測る機械。
古文書や紙の重さを測る機械。1/100g単位で測れる。

調べるためにその古文書を破(やぶ)いたり、もっと悪い状態(じょうたい)にすることだけはしちゃいけない。

壊(こわ)したり、分解(ぶんかい)したりしないでその中身を見たり、調べたりする方法を「非破壊検査(ひはかいけんさ)」というんだけど、古文書の研究にも非破壊検査は使われているよ。
これこそ科学の力だ!

さっき、古文書は紙に書かれた物だけではないことは学んだよね。

たとえば鐘(かね)。
長く外に置(お)かれることで錆(さ)びてしまったり、同じ所を叩(たた)かれて文字がつぶれてしまうこともあるんだ。
そんな場合も、科学的(てき)に鑑定することで、読むことができることがあるよ。

このページのまとめ

このページで学んだことのポイントはこれだ!
整理しておくよ。

見た目で判断できない物も、科学の力で大切な事を見つけ出すことができるんだ。

見た目でわからなくても、科学の力を借(か)りれば、古文書かどうか判断できるんだね。

でも、調べるのはたいへんそうよね。

研究者の経験(けいけん)による判断だけでは、真偽(しんぎ)や時代測定(そくてい)に誤(あやま)りがないとは言えない、と、判断を疑(うたが)う人もいるんだ。

そんな時に、科学的な診断(しんだん)結果(けっか)が、研究者の判断を裏付(うらづ)けることとなり、万人(ばんにん)を納得(なっとく)させることができる。

そして古文書が歴史(れきし)を調べるときに大きく貢献(こうけん)する事につながる、として科学判定(はんてい)も推奨(すいしょう)すべきと提唱(ていしょう)している学者もいるんだよ。