-古文書探検隊(たんけんたい)が行く-
まずは、古文書ってどんなものか、わかったかな?
ここでは、どうやって古文書を研究しているのかを見てみようか。
うん、宛先(あてさき)と、差出人(さしだしにん)と日づけと、用件(ようけん)がある文書!
で、研究って?
だけど、文字が消えてたりしたら、それが古文書が、古記録(こきろく)なのか、わからないよね・・・ どうやってわかるのかしら・・・
年代が経(た)ってしまったことで、文字が薄(うす)くなってしまうケース、災害(さいがい)に遭(あ)ってしまったことで破損(はそん)してしまったケース、保存(ほぞん)状態(じょうたい)が悪いことでネズミや虫に食われたりして消失(しょうしつ)してしまったケースなどで、大切な文書かどうか判断(はんだん)ができなくなる事があるんだ。
そんな時には、研究者の知識(ちしき)や経験(けいけん)とともに、科学の力が足りない部分を補(おぎな)ってくれるんだ。
一部が失(うしな)われた文書でも、科学の力で、解読(かいどく)する事ができる場合もあるんだよ。
それに、使われた紙の質(しつ)や素材(そざい)、紙すきの方法(ほうほう)を調べることで、その文書がいつ頃(ころ)どこのものかわかる事もあるんだ。
また、墨(すみ)の劣化(れっか)具合はどの程度(ていど)かを分析(ぶんせき)、鑑定(かんてい)することで、書かれた内容(ないよう)を判断(はんだん)したりもするんだよ。
このように、消えた文字でも、その変化(へんか)の具合を見ることや、前後の文章を解読する事で、書かれた内容を判断したり、予測(よそく)することが出来るんだ。
調べるためにその古文書を破(やぶ)いたり、もっと悪い状態(じょうたい)にすることだけはしちゃいけない。
壊(こわ)したり、分解(ぶんかい)したりしないでその中身を見たり、調べたりする方法を「非破壊検査(ひはかいけんさ)」というんだけど、古文書の研究にも非破壊検査は使われているよ。
これこそ科学の力だ!
さっき、古文書は紙に書かれた物だけではないことは学んだよね。
たとえば鐘(かね)。
長く外に置(お)かれることで錆(さ)びてしまったり、同じ所を叩(たた)かれて文字がつぶれてしまうこともあるんだ。
そんな場合も、科学的(てき)に鑑定することで、読むことができることがあるよ。
このページで学んだことのポイントはこれだ!
整理しておくよ。
見た目でわからなくても、科学の力を借(か)りれば、古文書かどうか判断できるんだね。
でも、調べるのはたいへんそうよね。
研究者の経験(けいけん)による判断だけでは、真偽(しんぎ)や時代測定(そくてい)に誤(あやま)りがないとは言えない、と、判断を疑(うたが)う人もいるんだ。
そんな時に、科学的な診断(しんだん)結果(けっか)が、研究者の判断を裏付(うらづ)けることとなり、万人(ばんにん)を納得(なっとく)させることができる。
そして古文書が歴史(れきし)を調べるときに大きく貢献(こうけん)する事につながる、として科学判定(はんてい)も推奨(すいしょう)すべきと提唱(ていしょう)している学者もいるんだよ。